ロジン系ハイブリッド樹脂
特徴
当社のロジン系ハイブリッド樹脂(以降ハイブリッド樹脂)は60年以上にわたってゴムタイヤの原材料として使用されています。
ロジン(Rosin)は松から得られる天然樹脂、松脂(マツヤニ)であり、ハイブリッド樹脂はユーザーのニーズに合わせてロジンの化学反応や他の樹脂との混和等を経て製造され、ゴムタイヤに使用すると耐久性やグリップ力の向上等の効果が期待できます。
このようなハイブリッド樹脂の国内メーカーは当社を含めて僅か数社しかなく、世界を見渡しても20社に満たない数しか存在しません。
また、カーボンニュートラル原料であるロジンを主成分とすることから、サステナブルなゴム配合剤としても注目されています。
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コバルト石鹸(粘着促進剤)
特徴
自動車用のタイヤには補強材としてスチールコード(鋼線)が内部に使用されています。
しかし、ゴムとスチールコードは接着性が悪く、ゴムにコバルト石鹸を配合して製造することで初めてタイヤは十分な強度を得ることができます。
逆に言えば、不十分な品質のコバルト石鹸がタイヤ原料に使用されると、タイヤの強度不足及び破損の原因となり得ます。
もし、走行中にタイヤが破損すると大事故につながるかも知れません。
よって、タイヤ向けのコバルト石鹸は高品質であることが何よりも求められます。
タイヤ向けコバルト石鹸を製造している国内メーカーは当社を含め2社しかなく、世界でも高品位のコバルト石鹸を作れるメーカーはわずか数社程度しか存在しません。
当社では品質を第一に考えコバルト石鹸を製造しています。
コバルト石鹸は脂肪酸とコバルトが反応してできた化合物の総称です。家庭で使用される一般的な石鹸は脂肪酸とナトリウムまたはカリウムの化合物ですが、ナトリウムやカリウムの代わりにコバルトを含んだものがコバルト石鹸です。
コバルト石鹸は様々な種類が存在するものの、国内タイヤ用に使用されるコバルト石鹸はステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ネオデカン酸ホウ素コバルトの3種にほぼ限られています。
この3種のコバルト石鹸を国内で製造しているのは当社だけです。
1.ステアリン酸コバルト
最も汎用的なコバルト石鹸です。
ステアリン酸を主とした直鎖飽和脂肪酸とコバルトの化合物です。国内で製造しているのは当社のみです。
化学式
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コバルト含有量:9.55%
外観:紫色固体
2.ネオデカン酸コバルト
C10の枝分かれ状の脂肪酸であるネオデカン酸とコバルトの化合物です。
国内で製造しているのは当社を含めて2社のみです。
化学式
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コバルト含有量:14.2%
外観:高粘性濃紺色液体
3.ネオデカン酸ホウ素コバルト
ネオデカン酸とコバルト及びホウ酸で構成された化合物です。
分子中にコバルトを3つ含有するため他のコバルト石鹸に比べてコバルト含有量が高いことが特徴です。
国内で製造しているのは当社を入れて2社のみです。
化学式
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コバルト含有量:22.0%
外観:紫色塊状
ロジン製品
特徴
主に松から得られる天然樹脂、松脂(マツヤニ)です。
松を傷つけると染み出る樹液を精製することで得られる淡黄色透明の脆い個体です。
ほとんどのものが国外で生産され、200㎏程度の内容量のブリキドラムで輸入されます。
このままの状態では取り扱いが難しいため、当社ではブリキドラムからロジンを取り出して数kg~25㎏の指定重量でパッキングし、ユーザー様にて取り扱い易い形で販売しております。